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2009年 10月 26日
アントワープはフランス語で Anvers アンヴェール と言う。
ブリュっセル・セントラル駅から列車で40分。 朝8時19分の列車をホームで待って いたが、時間になっても来ない。 そのうち表示されていたホームのデジタルの時間 が急に消えて次の別の目的地へ行く列車の時間が表示された。 周りの人たちも怪 訝な表情だ。 立って待っている隣の20代の男性に尋ねてみると、確かにまだあの 列車は到着していないし、もしかしたら他のホームに変わったのかもしれない、と不 審げだ。 私はとにかく駅の人に訊いてやれと、ホームの階段下にある駅員の詰め 所の扉を押した。 するとそれは日本の駅にありそうな、階段下の簡単な事務所兼休 憩所だった。 その駅員は私をちらりと見てまた横を向いた。 すかさず8時19分の 列車は来るのか来ないのか、このホームで待てば良いのか、と畳み掛けると、面倒 臭そうに、来るよ、もうすぐ来るよ、ここで待ってなよ、と愛想の無い返事だ。 しかし 駅員が来るよ、というのだから待つしかない。 そうしてまたホームに戻ると、さっきの 時刻表示のボードに、今度は次のアントワープ行きの列車の時間が出てきた。 つまり何と言うことはない、列車を一本走らせるのをやめて、次の列車が来るのでま とめてそれに乗ってくれ、というわけだ。 こういうことを合理的と言うのだろうか、SNCBベルギー国鉄がズルイと言うべきか、 予定より40分遅れて出発することになったが、どうやらアントワープへは行けそうだ。 やっと到着tした列車の車両も機関車も、およそ20年以上前のようだった。 しっかり 使い込まれ手垢が一杯ついているような、そんな列車だった。 アントワープの駅は3層構造だ。 このような駅を見たのは初めてだった。 近代的、 いや宇宙基地、一瞬そんな気がした。 このことはアントワープの街のアヴァンギャ ルド性、とでも表現できそうだ。 一番低いホームで降りて中央部にあるエスカレーターで上がっていく。 両側はホー ムで地上階に出たところは普通の駅と変わらない。 私はあるガイドブックで、2階に 天井の高いキャフェがある、と書いてあったのを思い出し、更にもう一階上がってみる と、そこには淡いグレーとベ-ジュを混ぜた色のスッキリした扉があった。 中は駅舎 の空間を利用したキャフェで、落ち着いた色彩のテーブルと椅子が並んでいて、正面 に飲み物やパティスリ、主にヴィエノワーズを提供するカウンターがある。 口ひげが 似合う中年の男性が二人、カウンターの中で忙しそうにコーヒーサーバーのレバーを 押し下げていた。 その後ろの棚とその背面のボードは、カウンターの男性の背丈 より高いものだが、何せ天井が高く、とても広い空間を演出しているところが見事だっ た。 アントワープのトラムは実に可愛い。 切符はタバコ屋や雑誌を売る店、つまりキオス クで買う。 初めての街ではどこにそれがあるのか、俄かにはわからない。 少し躊躇 った後、道を行く子供連れの婦人に尋ねてみた。 アントワープはフランドル、フランダ ース地方なので、フランス語はこの町の通用語ではない。 しかし、こちらがフランス語 を話せばやはりベルギーだ、聞き取ることはできて、英語やこの地帯の言葉、オランダ 語で返ってくる。 駅ですでに手に入れたトラムの路線図と地図を開いて、この路線の トラムは何処からの乗るのですか、と訊いてみた。 するとその婦人は即座にフランス 語で答えてくれた。 しかし私が聞きたい路線と場所についてもう少し詳しく尋ねたいと 思いさらに質問を続けていたら、今度は中年の夫婦がそれに加わり、英語で説明を始 めた。 その中年の男性は、「そこなら足で歩いても行けるさ。 ほんの15分さ。 あなたなら充 分歩いていける。 トラムになんか乗ることはないよ」 と言う。 私は今日一日しかこの 街の滞在時間は無いので、今から歩き始めると一日が持たない、と説明すると、ああ そうか、わかったわかった、と言って納得してくれた。 そうこうして立ち話をしている 内に、トラムの路線とその番号もわかり、目的の場所への一番近い停留所を知ること ができた。 しかしその頃にはまたその横に若い学生のような二人ずれの男性が来て いて、何事かと思ったのか、いや東洋人と5人くらいの人が地図をみながらあれこれ 話しているのを皆怪訝に思ったようだ。 で、切符を買うところはどこにあるのでしょう と尋ねると、何とその道をはさんだ向かい側にキオスクがあった。 つまり旅人である 私は、そういう店の佇まいに慣れないためわからないだけだった。 結局私の周りには7人の人たちが居た。 私はそれぞれに礼を言い、その場で分かれ た。 アントワープはこんな町だ。 言わば人懐こい、親切。 これが私の最初の印象 だった。
by georges2412
| 2009-10-26 21:34
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