毎年5月に行われるカンヌ映画祭。
5月のカンヌと言えば一年で一番季節が良い。だからこの時期を選んだのは流石だと思う。
第一回目がスタートしたのは1946年だが、当初場所選定に当たって、大西洋岸保養地、バスクのビアリッツが候補に上がり、
もう一つは地中海リゾートのメッカであるカンヌが候補に上がった。
ビアリッツは冬場を除いて、確かに温暖で穏やかな場所で、街としての品がある場所だ。
ナポレオン三世お気に入りの場所だったが、それからはるか1世紀を超えて、保養地としてはそのまま残って行ったが、
イベントをするような町では無くなった。
カンヌが選ばれたのは地理的なこと、気候のこと、地中海沿いでイタリアに近かったことだろう。
何故なら、ヨーロッパでの映画祭は1932年に開催されたヴェネチア映画祭が始まりだったからだ。
1932年当時は、ファシズムの時代で、イタリアはムッソリーニが支配していた。
それに対抗してこの映画祭が行われるようになったのだ。
また、ヴェネチア映画祭は毎年9月。 もう一つの映画祭はベルリンだが、これは2月。 厳冬の2月のベルリンには
行きたくないな、なんて思ってしまうところからしても、やはりカンヌはちょうど良い季節に、良い場所を選んだものだ、と思うのだ。