かつてフランスがこの国を植民地としていたころからの利権で暮らすモロッコ人は当然豊かだ。そしてこの国の経済格差は激しい。
それに絡むフランス人が暮らしている。
長く働いてある程のお金が貯まると温暖な、いやある時期は厳しい暑さにみまわれるが、終の住処とする者や、また、フランス社会からドロップアウトして、宿屋やレストランを営んで暮らしている。
ところであのイブ・サンローランのお墓がマラケシュにあるのはご存知だろか。
ともに暮らしたミシェル・ベルジェがその後を引き受け、元々公園だった敷地を買い取り、今は有料の庭として観光客を受け入れている。
そしてそのお墓は、庭の片隅に、フランス人の墓とはいささか様子の違う、一本の石の柱のような墓石だ。
つまり、イブ・サンローランはモロッコのここ、マラケシュに魅了された一人だつたのだ。