リヤド・ムーニア は そんなリヤド街の中にある。
北アフリカは盗賊と戦争と混乱の国々だ。
だからリヤドは高い塀に囲まれて居て、中を覗き見ることなどできない。
このリヤド・ムーニアはさらに横道を少し入ったやや薄暗い路地奥に位置している。
玄関の扉は木製で、鍵穴は三つある。用心の上の用心だ。
入るとすぐ四段のステップがあって、それを降りるとかなり広い中庭が広がっている。大小の樹木の中、中央に噴水がある。壁側には庭での会食のためにテーブルと椅子が二つ用意してある。
大小細い太いそれぞれの樹木の名はわからないが、我々日本で見慣れている木々とは明らかに違う。
前の記事に書いたように、リヤドとはモロッコでは民宿の代名詞だ。ただどこもそこの家主が住んでるので、手入れもされ、調度もこの国この地方のものなので、民族色は豊かで美しい。つまり「高級民宿」と言ってもよいだろう。
そしてその年代たるや、「この扉はサアード朝時代もの、天井もそうだが、この内装の壁の部分はアラウイー朝のものよ」と語る、この屋の女主人、マリボンヌは、いささか太めの体から出る大きな声で説明してくれた。
by georges2412
| 2016-05-18 12:47