竹下節子さんのブログ更新が毎日になって久しい。
私は毎日読んでいるが、今日のこのブログの中身は良くわかる。そしてフランスについてもうまく表現してあると思う。
私自身のメモとして転載させてもらいます。
私は、プロテスタントとの宗教戦争の後でカトリックを政治的に選択した「カトリック文化圏」フランスに住んでいる。そのフランスは、また、近代啓蒙思想の中心地のひとつでもあり、革命によって、プロテスタント諸国よりもはるかに世俗的な社会を築いてきた。しかも中央集権的で中華思想の強い国柄なので、何層にも複合する「物語」を何度も語りなおしたり創りなおしたりという跡が比較的よく見える。
それは、地政学的な共同体であるフランスを「普遍主義」の国として語ることの営為だ。そこに「無理」があったり「欺瞞」があったり「粉飾」があったりするのは当然だけれど、この「普遍」(「カトリック」は普遍という意味でもある)は、この国に住む日本人(しかも女性で今やシニアという弱者要素満載)である私にとってとても快適な「建前」であり続けた。
「愛国、忠誠、勇気」などが国是の国ではなく、「自由、平等、博愛」という「普遍」看板が掲げられている国だからこそ、マジョリティの白人であろうがマイノリティの人たちであろうが、いっしょにフランス・バロック音楽を語ったり演奏したり教えたりさえすんなりとできてきたのだ。