この番組で聴いたのは Charles Ravier が Ensemble Polyphonique de Paris とともにジャヌカンの曲を録音したものだったと思う。ネットで調べたところ、フランスの Valois というレーベルで1960年に出たものらしい。ありがたいことに今、YouTube で聴くことができる。
(Ensemble Polyphonique de Paris - Charles Ravier)
今、手元にあるのはクレマン・ジャヌカン・アンサンブルが1981年に録音したCDで、ラヴィエのものより、もっと明晰な演奏になっている。フランス語の発音も完全にではないものの昔風の発音で歌われている。
このCDには収録されていないが、パリの街中での物売りの声などを散りばめた 「物売りの声」Les Cris de Paris という曲もある。録音手段のない時代に音楽にして当時の様子を記録しているということからも興味深い。
MH
]]>フランス語の形容詞http://georges.exblog.jp/30840557/2024-03-05T08:22:00+09:002024-03-05T08:22:20+09:002024-03-05T08:22:20+09:00georges2412海外の話題 フランスの話題 旅行の話
フランス語は名詞+形容詞です。
例えば「ボジョレ・ヌーヴォー」Beaujolais nouveau の場合、「ボジョレ」Beaujolais は名詞、「ヌーヴォー」nouveau は形容詞です。
フランス語でも形容詞+名詞の組み合わせになるものもあります。
「グランプリ」grand prix の場合、「グラン」grand は形容詞、「プリ」prix は名詞です。
どこが違うのでしょうか。
前に置かれる形容詞の場合、この形容詞の意味が重要な要素とはなっていません。
例えば「グラン」を他の言葉に置き換えることはほとんどありません。「グランプリ」で一体となって意味を構成します。
「娘さん、お嬢さん」のフランス語 jeune fille でも同じことが言えます。形容詞と名詞が一体となって意味を構成します。
fille には親子関係としての「娘」という意味もあります。この場合は jeune という形容詞はつきません。
このように、前に置かれる形容詞には多くの場合、「あたりまえ」と思えるものが多いようです。
形容詞の意味をはっきり明示したい場合は、このような形容詞でも名詞の後ろに置かれます。
この挿絵に関する légende は Ils regardent avec espoir le signe de la paix「彼らは希望を持って平和のサインを見ている」です。日本語では全く関連が見つからない1と3の語義ですが、フランス語の語源を遡ってみると納得がいきます。この言葉の語源は中世ラテン語の legenda です。この語の意味は ce qui doit être lu「読まれなければならないもの」です。1の用例は Le Petit Robert では1558年、4の用例は13世紀、3の用例は1579年が初出とあります。「伝説」というものは後世の人々が読まなければならない物語です。写真などの説明文は「読まれるべきもの」です。地図の凡例は利用者が「知っているべきもの」です。このように考えると日本語では不思議な語義のズレもフランス語では大きなズレは感じられません。(残念ながら Niveau 1 には légende の項目がありません!)
MH
MH
]]>camélia du Japon ツバキhttp://georges.exblog.jp/30820891/2024-02-22T08:50:00+09:002024-02-22T08:50:55+09:002024-02-22T08:50:55+09:00georges2412海外の話題 フランスの話題 旅行の話
似た植物にサザンカがあるが、こちらは Camélia de Noël とか camélia d'automne あるいは camélia fleur de thé ともいうようだ。学名は camellia sasanqua と日本語がそのまま使われている。サザンカは香りの強い花で Wikipédia のフランス語版ではお茶の香りに使われるとも記されている。それにしても漢字で書くと「山茶花」となるのはなぜだろう?
写真は最近撮影したサザンカ
2月に咲く花といえば、学生を引率して滞在したロアンヌでフランスの大学生と交流した時、この時期に咲いている花は少ないのだが、赤い花が咲いていた。学生の一人がこの花をさして「この花は日本が関係しているけれど知っているか?」と聞かれたことがある。その花の名前は cognassier du Japon というとのことだった。花にはまるで詳しくなく、「知らないし見たこともない」と答えた。当時は花に関心もなかったのでそのままにしていたが、あらためて辞書で調べてみたら「ボケ」のことだという。そういえば、この辺りでも花が少ないこの時期に赤い花をつけている。フランスで咲いている花を写真に残していないのが残念だ。
]]>「雲」nuage にまつわる話http://georges.exblog.jp/30813882/2024-02-18T11:06:00+09:002024-02-18T11:06:55+09:002024-02-18T11:06:55+09:00georges2412海外の話題 フランスの話題 旅行の話
コーヒーに入れる少量のミルクのことをこんなふうに表現するのかとびっくりした記憶があります。
辞書で調べてみると、Le Petit Robert にも Le Lexis にもこの表現が載っています。
「少量の」という意味なので他にも使う可能性がありますが、この2冊の辞書には lait の例だけで、しかも準見出しとしてこの組み合わせで出ています。日本の「ロワイヤル」には un nuage de crainte という例が出ていましたが、多分、フランスでは un nuage de lait 以外で使うことは多くはないのでしょう。
Le Lexis には同義語として un soupçon de lait というのが出ていました。これもフランス語に慣れていない者にとってはびっくりする表現です。soupçon といえば「疑い」という意味しか頭の中には浮かんできません。
nuage にはもう一つ、être, se perdre dans les nuages というものもあります。「うわの空になる、注意力散漫な状態になる」というような意味です。日本語では「雲をつかむ」という表現がありますが、ちょっと使い方が違うようです。「五里霧中」という「霧」にまつわる表現の方が近いかもしれません。
フランスのカフェでコーヒーを頼んでも、日本のようにミルクはついてきません。最初は苦くて、一緒に出てくる角砂糖を一ついれていましたが、周りのフランス人を見てみると角砂糖を3つぐらいは平気でいれていました。(Le Petit Robert には mettre deux sucres dans son café という用例が出ています)
コーヒーにチョコレートが一緒に出てくることもあります。
Avignon の対岸に Villeneuve-les-Avignon という町があります。-les-という綴り字は昔のフランス語の名残りです。古フランス語ではこの単語は「隣の」という意味、今のフランス語では à côté de という言葉になります。橙色の線は国道、赤紫は高速道路、黄色は県道と色分けされていました。現在、この地図は、géoportail.gouve.fr/carte で見ることができます。基本のデザインは同じですが、見た感覚では少し変化しています。(気持ちの上では、昔の紙の地図の方が気に入っています。)ネット上なので縮尺は自由に変更できます。また、航空写真にすることもできます。サイトの左上スミにCARTESのアイコンがあります。そこをクリックするといろいろな地図に変更することができるようになっています。地図というと Google map が便利ですが、たまにはこんな地図を見てみるのもいかがでしょうか。
MH